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@HayatedaWakichi@live-theater.net

Post #4036531

2026-07-23 07:33 UTC

バースデーライブも終わって、お客さんが帰っていった劇場のエントランスに立つ歩はどこか寂しさを感じていた。こっそり物販の様子を覗いた数時間前には、先が一切見えない人の壁が広がっていて驚きのあまり心臓を爆発寸前にして控え室に戻ってきた程だったのに。  誕生日仕様からいつもの装飾に飾り付け直されるエントランスの風景に少しずつ鎮められていく。誕生日とはいえ普段と同じ24時間、いつものように時間が過ぎ去っていく寂しさはよくしてもらった分みんなの誕生日も盛大に祝おうという奮起に色を変えていった。 「感傷に浸りすぎるのも良くないよね。……そろそろ帰ろうかな」  歩は裏口に向かって踵を返した。確かな重みを主張する手提げの大きな紙袋が揺れる。その中にはみんなからもらったプレゼントが詰まっている。その一番上にはついさっきプロデューサーからもらったヘアワックスがあった。嬉しい、それはもう高く飛び跳ねて着地の勢いのままブレイクダンスに繋げたいくらい嬉しいしみんなにありがとうって気持ちになる。サンキューである。  手に提げた袋の口を見ていると、数日前に誕生日には関係なくもらったプレゼントのきらめきが目に入る。右手の小指で小さなルビーが輝いていた。 「アイドルにこんなの渡すなんて、誕生日プレゼントだったらまだ誤魔化されてあげたのにさ」  宝石が嵌め込まれた指輪なんて、なんでもない日に、なんでもないような顔して渡すものでは絶対にない。  歩は袋の持ち手を掴んだまま、右手を左手に少しずらして重ねてみた。赤い輝きが本当についていてほしい場所にあるようには、残念ながら見えなかった。

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