2026-07-08 01:11 UTC
野生のしっそう
猪瀬浩平 ミシマ社 2023年
自閉症で知的障害のある兄と、その弟が父が始めた福祉農園やコロナ禍の環境の中で人と出会い、共感しないで「存在する」のを、兄との日々を通して書いたエッセイに近い、当事者本かな。ご本人は埼玉県生まれで明治学院大学で教養教育センター長、専門は文化人類学とボランティア学だそうです。
著者はいわゆるきょうだい児になる。兄の障害は重めだと文章からわかる(単語や二語文で語るとある)。文字は自分の名前だけ。普通科高校に四回不合格だそう。時々一人で出て行ってしまうのだそう。兄が鉄道に乗って移動することもあって、過去、祖父母の家に行ってしまったそう。それについて、「車内で隣り合わせる人びとが同じように孤独な生を生きていると想うとき、孤独であるわたしと孤独である隣人との間に、かすかな連帯が生まれる。オジェはそれを“孤立なき孤独”という」と人類学者マルク・オジェを引用する。
Replies (1)
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@n_d_mnemosyne@fedibird.com 2026-07-08 01:12
@n_d_mnemosyne@fedibird.com ご本人はよくしっそうするお兄さんを探しに、小さい頃から追いかけていたそう。また、自閉症に対する専門知識による理解は、彼の兄の世界を理解することではない、また定型発達者を理解することでもなく、お兄さんを部分的に理解することだそう。 わかってあげようとか、共感しようとかではなくて、個々の存在として、理解したいという、自分たちもここにいて、お兄さんのように発達した方たちもここにいて、健常者と障害者、男と女とか大人と子供とかで整理しないで、多様性を考えたいと締めくくられていました。だいぶ理解が進んで社会や意識は変わったけど、別の世界にいる人たちではなく、認知の仕方が違うけど同じ世界にいますよねって再確認?してこの社会を、世界を進もうという、そして個人的なことでありながらも社会的というか、レヴィ=ストロースとかも引用されてて、難しかったんですが、エピソードから世界を捉えるという、そういうのがわたしは好きなので、読めてよかった。